ツギトリ

実際的な出版流通に即しつつも突飛で無責任なご提案。

シンポジウム「出版不況とブックファンタジー」

2016年5月15日16時より、ツギトリの主催でシンポジウムを開催致します。その名も「出版不況とブックファンタジー」。会場は、大阪市阿倍野区にある児童図書室もものこぶんこ。ブックファンタジーの代表的現象でもある「まちライブラリー ブックフェスタ2016in関西」参加企画です。仔細は下記ツギトリ公式サイト他をご参照下さい。

ツギトリ / 公式サイトのご案内。

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開催概要

日時

2016年5月15日(日) 16時より / 開場は30分前
場所
もものこぶんこ
地下鉄御堂筋線昭和町駅2番出口を出て北へ。小学校の北角を左折し、直進。信号を渡って少し行くと左手にオレンジの屋根が見えます。開館しているときは小さな看板も出ています。谷町線文の里駅6番出口からも至近です。
Google MAP (光陽マンションの1階です)
シンポジウムに飽きたら児童書も読める好立地
ISBN
978-4-9908899-0-6
申し込み不要ですが、万一満席の場合はご予約いただいた方を優先致します。ご予約はtgtr@kiwamari.org 迄メール下さいませ。

パネリスト

吉田正隆(出版取次)
出版取次会社勤務。特殊部署に所属し、既存流通のソリューションと、新サービスモデル構築を担当。本という商材について、言語学的アプローチでの分析を模索中。関西学院大学卒。徳島県出身
北田博充(本屋/元リーディングスタイル)
本・雑貨・カフェの複合店「マルノウチリーディングスタイル」を立ち上げ、マネージャーを務める。原宿明治通りにある「niko and...TOKYO」のブックディレクションを担当するなど、異業種小売店の書籍売場プロデュースも手がける。2016年4月に退職し、『これからの本屋』を刊行。関西大学卒。兵庫県出身。
山本握微(普通芸術)※企画・進行
普通芸術家。劇団乾杯主宰。芸術を実用の視点から再点検し、時折、実践する。本に関わる活動としては、一日かけて大型書店の棚を全て見回る「ブックオン」、深夜に児童図書室を開放する「よふかしぶんこ」など。今回、実際的な出版流通を見据えつつ無責任に各種の提案を行う「ツギトリ」を立ち上げる。

前口上

深刻な出版不況と反比例するかのように高まる「本」への関心と幻想。町の新刊書店が消えていき、出版社が倒産し、総合取次の破綻が連続する中で、個人で書店の開業を希望する人が増えたり、民間の指定管理者による次世代の図書館が盛んに議論されたりしています。

一方、時代遅れ、とインターネットを中心とした新しい情報技術の対極として取り上げられやすく、やたらと非難の対象にさらされたりするのも出版業界です。

新美南吉「おじいさんのランプ」で、電灯の出現によりランプ商に見切りをつけたおじいさんが次に選んだのは、本屋でした。作中の最後、おじいさんは孫に「自分の古いしょうばいがお役に立たなくなったら、すっぱりそいつをすてるのだ。」と語ります。今頃、孫の東一君が継いだかもしれない本屋さんはどうなっているのでしょうか。

本をめぐる環境は複雑です。新刊書店の流通に限っても、他業種に比べ独自性が強いといえるでしょう。更に、古書店や図書館など二次流通も多様です。電子書籍もあれば、漫画喫茶もあります。最近は、売ってはいるけれど店内でゆっくり読むことができ、まるで売れなくてもいいような本、なんていうものまでありますね。まちライブラリーは、本を軸に地域の活動を(飲食店併設の場合はその売上も)促進しますが、寄贈された本(植本!)を無料で貸出すことは、本の著者や出版社にはどのような促進をもたらすのでしょうか。そもそも合法なんでしょうか。

今回のシンポジウムでは、業界に詳しいゲストを招き、基本的な状況を整理した後、参加者と自由に意見を交わしたく思います。本に関わる方や本が好きな方は勿論、もう本なんか読まなくなったなんて方もお気軽にお越し下さいませ。聞くだけの参加も歓迎です。

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宜しければ是非ご参加下さいませ。お気軽にどうぞ~。

余談ですが、もし個人で書店の開業を目論んでいる方がいらっしゃいましたら、終了後に具体的な商談も可な面子ですのでこの機会に。